三人のレンガ職人

 イソップ童話に「3人のレンガ職人」という話があります。
 旅人が旅の途中で出会った3人のレンガ職人から話を聞きます。まず、最初の職人に『何をしているんですか?』と尋ねると、『レンガを積んでいるんだよ』と面倒くさそうに答えました。二人目の職人に同じことを聞くと『レンガを積んで壁をつくっているんだ。』と答えました。三人目は『教会の大聖堂をつくってるんだ。』と答えました。
 面白いのはそれぞれの職人の仕事に対する感想です。
 最初の職人は、「親方の命令で仕方なくやってるんだ。手は荒れるし、腰は痛いし大変だ。」、二人目は「食べるためにやってるんだ。仕事があるだけましだよ。」と答えたのに対して、三人目は「この大聖堂が完成したら、多くの人がここで祝福を受け、救われるんだ。この仕事に関われて光栄だ。」と答えました。
 三人とも同じ仕事をしているのに目的というかモチベーションが全く違います。
最初の職人は目的もなく、二人目の職人は生活費のために、三人目の職人は社会に貢献するために働いています。
 人間は自分の行動に意味を求める動物です。自分の中でその意味の価値が高ければ高いほど行動自体が楽しくやりがいのあるものになっていきます。同じやるならやりがいを持って楽しくやりたいものです。
 本校の生徒の皆さんは本当に一生懸命勉強しています。その勉強がどのように社会に結びつき、将来どのように社会に貢献できるかを考えるキャリア教育の充実が求められています。

2020年12月18日